前編

 

日本からユーラシア大陸を飛び越えて最初に現れる北欧の国FINLAND
空から眺めるとそのほとんどが森と湖。
そしてデザインの国。
そんなところが日本に住む私たちのフィンランドに対するイメージではないでしょうか?!
ファニチャー、ファッション、アンティーク、ギャラリー、レストラン。
デザイン好きには魅力いっぱいのヘルシンキ。
今回この旅に参加した目的の一つは北欧のデザインに触れる・・・でした。

 

 

資金調達中の娘

 

最初の夜、ベッドに入ってもなかなか眠れず( 時差ボケ?! ) ほぼ寝ないでヘルシンキで初めての朝を迎えました。
ホテルの10Fで朝食はビュッフェスタイル。
一般的なメニューが並んでいますが、ちょっと珍しいカレリアパイという牛乳粥が入ったパイが
食感が珍しく癖になり毎回食べてました。(画像がなくて済みません)
そうそう!! サラダが並んでいるのですがドレッシングが一切置いてなかったのです。
不思議な歯磨きの様なチューブがありましたが・・・(なんかのペーストだったみたいです)
後でわかったのですが調味料は基本的にソルト&ペッパーのみらしく
あらかじめスーパーで好みのドレッシングを買っておくのがヘルシンキ通らしいです(笑)

朝食を食べて身支度を整えて準備OK!!
今日は買い物ツアーになるので出発前にちょっとホテルを出て一番近い"OTTO"というATMに資金調達へ!!
カード先進国のフィンランドなので、バスやトラムの切符、ホテル、レストラン・・・どこでも
カードが使えますが、カードばかりで買い物をすると感覚がマヒしてしまうので
私たちはプリペイド方式(笑)
フィンランドの街中には
OTTOというATMの機械があることを日本でリサーチ済だったので
出発前に日本で娘の銀行口座へ旅行に必要な現金を入金して準備完了!!
黄色い看板が目印の
OTTOは街中のビルの壁にちょこんとくっついていたり
駅やショッピングセンターの中ですぐに見つかるし、時間外や休日の利用手数料などないので助かります。

以前娘が留学する時に、三井住友銀行で海外ATM対応の口座を開設してキャッシュカードを作っていたので
海外でも換算レートで必要な金額を現地通貨で引き出せて便利。
手数料も一回¥200というのも嬉しい。
今回は1ユーロ大体106円くらいだったかな?!
4年前フランスに行ったときは、1ユーロ160円くらいの時だったので、今回は随分円高様々です(笑)

( ※ 残念ながら今は海外対応の口座やカードはどこの銀行も廃止になってしまっていますが・・・ )

 

 

 


さて、本日丸一日・・・ヘルシンキでのガイドをして下さるのはフィンランド在住のとってもスペシャルな方でした!!
映画『かもめ食堂』で現地コーディネートをされていたアソシエイトプロデューサーの森下圭子さんなのです♪

私も持っている 『かもめ食堂』 のDVDについている特典ディスクにいっぱい登場されています! !
帰国してからDVDをまた見て♪きゃあ〜森下さんだ〜って映像を見ながら娘と感動してました。

 

 

 


 

 

さてヘルシンキ2日目のスタートはまずマリメッコ本社から!!

『 マリーちゃんのお洋服 』 という意味のマリメッコ

カラフルなテキスタイルやデザインで多くの人の心をひきつけるマリメッコ。
日本にもマリメッコファンは相当沢山いらっしゃると思いますが
本場フィンランドに行って感じたのは本当に多くのフィンランド人が
街中でマリメッコのお洋服や小物を身に着けている姿を目にしたことです。
お出かけの時も、そしておうちの中でもフィンランドの人たちにはやっぱりマリメッコが欠かせないものなのですね!!
お年を召したおばあちゃまが真っ赤なベレー帽にマリメッコの赤いウニッコ柄の
BAGを斜め掛けしている姿はホントにオシャレ〜!!

 

 

ツアーのために用意されたマイクロバスでホテルを出発〜
興奮しながら郊外にあるマリメッコ(本社)ファクトリーに。
マリメッコファクトリーに併設されているショップには端切れのグラム売りがあったり
サンプル品販売や黄色のプライスシールのアウトレット商品があったり
このショップだけの限定品があったり
ツアーに参加のマリメッコファンにはたまらない宝の山。

森下さんがマリメッコの作品の説明やフィンランド語で通訳をして下さるので
本当に愉しくお買いものができました。

 

 

娘がたった一点だけあった掘り出し物のB品の(ストラップが取り外しできる)ポシェットを
見つけて購入していました。たぶん今年の新作らしい物なのですが、
ホントにわからないくらいのシミがポツンとついているだけで半額以下。
(帰国してから調べたら日本での販売定価¥7,350の1/3以下のお値段)

恐るべしわが娘の嗅覚(笑)

 

 

 

 

 

私はこのショップだけの特別セール価格のテキスタイルデザインの布で
手拭いを制作しようと考えてカットしてもらい購入。
実はこの布は耐火の布なんだそうです。

私が以前、蒸し器にかぶせていた手拭いに燃え移って炎上させてしまった・・・という話をしていたら
森下さんが布をカットしてくれている方に通訳して下さったのでお店の方が爆笑してました。
この布なら安心ね!!って(笑)
この布はかなりお値打ちになっていて森下さんもこの価格はあり得ない・・っておっしゃってました。

 

 

 

 


 

娘はこのデザインのテキスタイルが欲しいと手提げを購入。
これは田舎のバラがテーマのテキスタイル。
マイヤ・イラソがデザインしたものにクリスティーナ・イラソが新作として新しく色を選定したものだそう。
このテキスタイル、日本で買うと\5,250/m だそう・・・ぶっ飛びました(笑)

 

マリメッコは本当に沢山のデザインであふれています。
お洋服の他に保存缶、ミニトレー、食器、ピクニックグッズなどの生活雑貨。
バックやポーチ、フィンランドの郵便局とのコラボレーションアイテム。
毎年新しいデザインが生み出されていく中で、古いものも大切にして
次の世代に受け継いでいく・・・という北欧の人たちの姿勢はさすがものつくりの国らしいですね。

 

【 ヘルシンキの街をデザインに起こしたヘルシンキ柄 】

 

 

2012年、ヘルシンキがワールドデザインキャピタル ( 世界デザイン都市 ) に選ばれた事を記念して
マリメッコは『 マリビレッジ 』 を実現させることに。
『 マリビレッジ 』 とは、マリメッコの創設者であるアルミ・ラティアが1960年に抱いた夢
"すべてのマリメッコの従業員が人々の生活の質を改善する方法に取り組める村を作る"というもの。
60年代の生活スタイルから様々な事が変化している中、マリメッコはデジタルと実際の社会の両方に
この村を実現させることを目指して活動しているそう。
また、記念のプロダクトはヘルシンキの街をデザインしたマグカップやトレー、キッチンタオルなどが作られたそうです。

ワールドデザインキャピタルを記念したマリビレッジの実現に関する活動は、
本国の
HPで一年を通じて配信されていくそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてさて、マリメッコに続いて第二の目的地はアラビア&イッタラ ミュージアム・工場見学へ。
フィンランドの陶磁器メーカー『 アラビア 』
歴史は古く1873年に設立されました。機能性とデザイン性を兼ね備えた質の高いものつくりで
フィンランド国内はもとより日本でも愛好家が沢山いることはあまりにも有名ですよね!!
おおらかな自然をモチーフに、アラビアならではのかわいいエッセンスを加えたものが特徴的です。

 

 

 

ファクトリー( 工場 )を案内してくださるのはアラビア社のアンネッテさん。
ちょっと早口で一生懸命に伝えようとして身振り手振りが激しくて(笑)
すごく明るく笑い方がチャーミングな彼女はとっても素敵な女性でした。
つい最近、彼女の娘さんが京都で桜を見てきたんだというお話をしてくれました。

 

 

 

 

 

 

 

作業工程を詳しく説明してくれるアンネッテさんと、
フィンランド語を通訳してくれる森下さん

 

普段観光客が入ることのないアラビア・イッタラ・の器が一堂に会する展示スペースなどもこのツアー限定で見せて頂きました。

 

 

 

 

ファクトリーと同じ建物内の9Fにあるミュージアム( アラビア博物館 )では
50年代〜70年代の古いものから新作のデザインまで。
アラビアデザインの歴史を知ることができます。

 

 

 

 

 

 

 

食器だけでなくオブジェも。

 

 

 

 

 

 

ゆっくりと作品を見た後、ランチはアラビア社内のカフェでひと休み。
そのあとは品揃え豊富なファクトリーショップへ!!
アウトレット商品もあります。
歴代ロゴマークがデザインされたマグはここでしか買えません。
アウトレット価格の上にツアー参加者限定で20%割引の
チケットをもらいかなりハイテンションで目的の物を選びました。

 

 

 

 

アラビアに行ったら必ず購入しようと決めていたムーミンマグ。
家族の分、それぞれを選びました。
黄色のシールはアウトレット商品です。
アウトレットも割引チケットでさらに20%OFFで購入出来ちゃいました♪

 

 



娘は黄色のシールの物ではなく
特別なデザインのを自分で購入してました。(ちょっとお高いです)
ワールドデザインキャピタル・ヘルシンキ2012の
オフィシャルパートナーの企業しか取扱いできない
ムーミンマグカップ『フレー!』
1960年に出版された絵本「さびしがりやのクニット」のおまつり
のシーンがモチーフになっています。2012年だけの限定生産だそうですよ。


 

フィンランドのテーブルウェアブランドといえば"アラビア" "イッタラ"がまず思い浮かぶと思いますが
アラビア社が設立されてから8年後の1881年にアラビアから派生して設立されたのがイッタラ社なのです。
1873年にフィンランド・ヘルシンキ郊外のアラビア地区に設立された製陶所で、クルト・エクホルムや
ビルイエル・カイピアイネンなどのデザイナーらを有し、数々の名作を世に送り出してきました。
そんな中、アラビア社に入社したのが後にティーマの生みの親となるカイ・フランクでした。
( 日本ではイッタラの「ティーマ」と呼んでいますが、母国フィンランドではテーマと発音するんだそうです )

カイ・フランクはヘルシンキの美術工芸大学で家具デザインを学び、卒業後は家具やテキスタイルなど
幅広くデザインの仕事をしながら、第二次世界大戦でフィンランドの敗北を経験。
フィンランド・デザインの復興という大きな使命からフィンランドの人々の実際の生活に即した
テーブルウェアが必要だというシンプルな思いやりから彼の作品は生まれたものなのかもしれません。

 

アンネッテさんが説明してくださったお話の中に・・・
かつて、アラビアとロゴの入ったものはフィンランド国内向けに生産されたもので
イッタラのロゴ入りの物は世界に発信するために生産されていたものだという
ブランドロゴの使い分けの違いを表す歴史的なお話がありました。(な〜るほど!!)
でも、現在はその使い分けはなく、どちらもアラビア&イッタラというブランドとして全世界に送り出されて行くそうです。

そして2007年以降、イッタラ、アラビアはフィスカース社のブランドとなったのだそうです。

 

 

 

「フィンランド陶芸界のプリンス」として知られていた
カイピアイネンがデザインした

念願のパラティッシ・ブラックの16.5cmプレートをゲット!!

 

 

 

今回の旅行記は単に日程を追うものではなく、私が触れたフィンランドのオリジナルブランドの
デザインの背景に興味を持ち、帰国してから色々と調べたことを一緒に綴ってみました。
読んで下さる皆さんに少しでも感じてもらえたら嬉しいです。
ということで・・・・二日目は盛りだくさん過ぎたので、前編・後編に分けました。


続きは後編でまた後日。